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こちらはシルバーレインの参加キャラクター『如月狩耶』の日記です。あくまで架空の人物です。こんな名前の人が現実にいるわけがありません。きっと、たぶん、おそらく、いないかもしれない。
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「……あれ?」
 狩耶は気がついた。見覚えのない手紙が机の上にぽつんと残されていることに。
「おかしいなぁ。」
 狩耶の記憶には、このような手紙を受け取った形跡がまるでない。
 だがその手紙には、たしかに一度読まれた形跡はあった。
 手紙の端の部分はよれよれになっており、内容が書かれているであろう部分にはマジックペンでぐちゃぐちゃに殴り書きがされている。
「んーむ」
 思わず腕を組み、机の上の手紙とにらみ合う狩耶だが、やはり思い出せない。
「あ!」
 声をあげて、狩耶はしまったという顔をつくった。
「そういえば、まだ親父とお母さんに手紙をだしてなかった。」
 しかし時計を見ると、すでに始業が近い。勿論、手紙を書く時間もない。
「帰ってきたら書かなくちゃ」
 そんな言葉を残し、狩耶は学園の鞄を手にして、謎の手紙に背を向けた。
 割られた鏡が、ドアから出て行く狩耶の姿を静かに見送ったのである。

 開けっ放しになっている窓から風が吹くと、取り残された手紙はふわりと宙をまい、床に落ちる。
 その内容は割られた鏡の端に映し出される。
 マジックペンで殴り書きはされているものの、見栄えが悪いだけで、読むことには何の不都合もない。

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 如月狩耶様へ

 このような手紙で、失礼をする。
 オレは如月本家の代理当主、君と同姓同名の如月狩夜だ。
 早速本題だ。
 お正月に我が本家を尋ねてくれたようだな。
 分家共が、君のご両親のご不幸について色々と何か言ったようだが気にしなくでくれ。
 だから君も、嘘をつく必要などない。
 事情を知るものにとって、君の嘘はとても痛ましいのだ。
 さて次は君のことだが…、今君は天涯孤独の身となっているから、正直心配している。
 一度またこちらに顔を出してくれないか。
 君が本家とオレを嫌っているのは知っているが、今まで書いたことは全て本心だ。
 だから一度でもよいので、返事をかえしてほしい。
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 割られた鏡は、所詮物質でしかない。内容を映し出すことはあっても何かを考えることはない。
 取り残された手紙はまたいつもどおりに狩耶の記憶から消え去っていくだろう。
 手紙に記された内容は、空白と変わらぬ扱いを受けるだろう。
 狩耶がこのことを知ることはないのである。
 それこそが、心の弱すぎた少女の本能が導き出した粗末な“答え”である。
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